ラージャー・ザン・ライフ

　Pro.アンドレ・サイモンの集大成ともいえる、奥方ジョディ・ワトリーのセカンド・アルバム。

　兎にも角にも、トラック1"Real Love"を聞いて下さい。重低音の利いたベースラインと打ち込みドラムが印象的なイントロ。耳に残るキーボードの旋律、中間音が薄いため印象的なヴォーカルライン。ブリッジは特にベースラインとヴォーカルラインが刺激的に動く。サビでべースラインは戻り、ヴォーカルラインはコマーシャルなメロディを落としていきます。単調な作りだが、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」を彷彿とさせる楽曲で、ニュージャックスウィング寄りのアレンジが秀逸だと思います。

　 トラック1と同様に、ラジオ等でよく耳にするトラック3"Everything" が有名ですが、ラキムが参加したヒット・ソング"Friends"、パンチのきいたファンク・ナンバー"What 'cha Gonna Do for Me"、マドンナのようなミディアム・バラード"Precious Love"が聞き所かなと思います。ファースト・アルバムにはないタイプの"Everything"と"Precious Love"が収録されているため、ヴァラエティにとんだポップR&Bになっています。

　セールス面ではファースト・アルバムには及ばないセカンドですが、ファーストのミネアポリス・サウンドを継承しつつ、奥行きを持たせたのが本作ではないでしょうか。アンドレ・サイモンの本気が見える良質のデジタル・サウンド。イイ音してますね。