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アシュ・ラ・テンペル アシュ・ラ・テンペル・ファースト・アルバム(紙ジャケット仕様)

ジャーマンロックバンド、アシュ・ラ・テンペルの1st。1971作クラウス・シュルツとマニュエル・ゲッチングの二人を中心にしたサウンドは、原初的な混沌と神秘的な暗さを有した、妖しいまでのスケール感がある。TANGERINE DREAMを思わせるうっすらとしたシンセに、ドカドカと手数の多いシュルツのドラムとゲッチングのギターが加わると、フリーキーで呪術的な雰囲気とともに、サイケロックとしての生々しさが現れる。19分、25分という2曲の大曲は、無秩序なフリーロック的でもありながら、どことなく人間的な土着性が感じられて、不思議な緊張感に包まれている。本作のみでシュルツは脱退、シンセを手にソロ活動へと移行してゆく。 アシュ・ラ・テンペル・ファースト・アルバム(紙ジャケット仕様) 関連情報

アシュ・ラ・テンペル インヴェンションズ・フォー・エレクトリック・ギター

 ポピュラー音楽は時代とともに古臭く感じられるものが少なくないが、本作はそうした時間の経過とは無縁な金字塔的な傑作である。発表が1974年なのにいささかも古びていない今日性を維持しているのには驚くばかりである。 ヘビーサイケデリアの渾沌から生まれたアシュラテンペルだが、ファーストやセカンドの初期の彼らでさえ、ピンクフロイド的な独特な浮遊感を有していた。シュルツが抜け、エンケがリタイアして、ゲッチングとその彼女のロジ・ミュラーと二人だけになってしまったアシュラテンペルは、ロジを大々的にフィーチャーした「スターリング・ロジ」を発表する。そこでのゲッチングのギターはグレートフルデッドのガルシア的な雰囲気が濃厚だ。 そうした前史からすると、まさにイノベーション的な画期となったのが本作品である。過去とは決別し、まったく新しい音楽をつくりだしている。ともすればアマチュアバンド臭かったアシュラテンペルがここで脱皮し、完全に独自の音楽世界を切り開いたといえよう。 この後彼はこの路線を突き進み、「ニュー・エイジ・オブ・アース」「E2E4」などの傑作を連発するようになる。もっともイタリアのシンフォニックものがもてはやされていた70年代後半以降の日本では、ごみ扱いで、彼が正当に評価され、支持層が広がるようになるのは90年代になってからのことであった。 インヴェンションズ・フォー・エレクトリック・ギター 関連情報




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