瀬名秀明 ランキング!

瀬名秀明 パラサイト・イヴ [DVD]

結婚して一年、愛する妻自動車事故で死亡した。精神崩壊しかけている永島が妻の肝臓を勝手に遺体から持ち去り、葬儀にも参列しない。妻に語りかけるようにして肝臓を慈しみ培養する。ある日、肝臓のミトコンドリアは意思を持って動き始めるようになる。一方腎臓移植された麻里子の体に異変が生じる。麻里子は「得体の知れぬ物」を生み出す。それは病院を動き回り…「ミトコンドリア」の陰謀がテーマですが、聖美が清らかでとても美しい。その現実感のない「美しさ」こそがミトコンドリアの罠であり、永島をある目的に利用していた。その美しさを武器に永島を惹きつけ結婚。そして聖美の交通事故すらミトコンドリアの意思。しかし、実はミトコンドリアより先に麻里子自身も永島を愛していました。ラストの屋上での永島の炎上シーン。むしろハッピーエンドのようで泣けます。 パラサイト・イヴ [DVD] 関連情報

瀬名秀明 月と太陽 (講談社文庫)

全体的に科学に造詣のない読者を拒否するような内容なので、基本的には理系かつ瀬名ファンにしかお勧めできない。決して難解な訳ではないが、多くの人はこの作品で希望を読み取るのは難しいんじゃなろうか。全ての作品で震災について言及されており、仙台市が舞台の作品が多い。表題は全体の2/3ほどを占める中編『絆』の劇中小説で、結合双生児を描いたこの中編が最も読み応えがある(そして最も分かりにくい)。青葉山で学生生活を送った人なら『ミッドナイト・パス』を読むと感慨深いものがあるだろう。(小説で読むとまるで凄く良い所だったような錯覚を覚える。おそらく京大も実際には森見登美彦作品ほど面白い大学ではないのだろう) 月と太陽 (講談社文庫) 関連情報

瀬名秀明 ハル (文春文庫)

 常に独自の路線、というかテーマを追求している瀬名秀明。今回はロボット。本作の中で書かれるロボットたちは常に何らかの形で人間と関わっている。子どもの遊び相手、科学館の案内役や、地雷探査だったり。ロボットが密接に人に関わるようになったとき、何があるのか。そしてロボットに心はあるか。心というか魂、かな。リアルとSFの混同。ただ、そう遠くはないかもしれない。 文庫版では『ハル』に改題されているが単行本版の『あしたのロボット』のほうがいい形だろう。改題した理由はあるだろうが、本作で書かれているのは現在ではなく未来。あしたの物語たちである。あした、という手が届きそうで届かないという感覚も、個人的に好きかな。 面白いと思ったのはロボットを通じて人間の存在も見つめ直しているところだろう。これは、なかなか斬新で、かつ恐くもある。「夏のロボット」で人間を見つめ直し、最後の「アトムの子」でロボットを作ろうとする。「夏のロボット」と「亜季への扉」で感じた切なさは響く。人間以上にロボットと関わろうとしながらも感じる限界。 そのような思いの抱きながらも限界を超えるところにたどり着きたいのかも知れない。それが人間の、その畑の人間としての思いなのか。 長編にしてひとつの話を書くのでなく、連作中編という形で微妙にリンクしながら読めるのがなかなか。長編じゃおそらく読み応えがなかったのだろう。様々な“あした”を書きたいからこその連作集というのは、ただの設定だけじゃないはず。あとがきでも「現在を生きる私たちがどのように未来と付き合うか」と瀬名自身が記しているが、それだけ“あした”の方向性や改めて現在を見つめ直すことは必要なのだろう。このあとがきでもなかなか面白いんじゃないかと。思ったわけだが。 これからまた小説を精力的に書いていくようで、どのような手腕を発揮してくるか、どんなテーマで書き上げるのか楽しみだ。 ハル (文春文庫) 関連情報

瀬名秀明 小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団

ベースとなるのは映画ドラえもん のび太と鉄人兵団(またはそれの元となる原作コミック)ですが、各所に藤子ファンなら思わずニヤけてしまうネタが散りばめられています。作中に出てくるメカ等の文章表現も細かく、とても楽しめます。 小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団 関連情報




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