岡本昭彦 ランキング!

岡本昭彦 侍 [東宝DVDシネマファンクラブ]

今回廉価盤が出るようなので、これを機会に観直してみた。初めて観た時の興奮は若干薄れたものの「桜田門外の変」を扱った映画としては最上級にランクされる作品で、岡本監督の実力からすれば及第点を上回る出来栄えに留まったという印象がある。脚本は橋本忍、音楽は佐藤勝、配役はオールスターに近い、そして桜田門のオープンセットの凄さ、これだけの条件が揃い失敗が許されない状況に追い込まれたのか、監督としての気負いが空回りしたような演出が見える。特に回想しながら具体的な映像を交えて説明する手法だが、全てこの方法で押し通す必要は無い。結果、122分の長尺になり映画全体の流れが停滞してしまった。特に木曽屋(東野英治郎)がお菊(新珠三千代)と鶴千代(三船敏郎)を生い立ちから説明するシーンに入ると大河ドラマのような展開になり映画の趣が変わってしまう。本来ならこの説明は内通者(平田昭彦)が判明する処で用いてこそ効果的だと思われるのだが、なぜかナレーションのみで終わる。ここで平田昭彦が入隊した経緯や背後関係を見せたらテロリスト集団としての説得力が増したはず。これ要するに豪奢な配役をした関係上、各人の見せ場を簡単な説明だけで終わらせる事ができなくなってしまった弊害ではないのか。襲撃のクライマックスにも気負いが見られる。途中から雪が偽物と解るのだが、相乗効果を高めるために吹雪く量が勢い余って画面を覆い尽くし襲撃の様子が伝わらないシーンが見られ、また雪が直線的に見える箇所もある。しかしそれを差し引いても余りある迫力で、見せ場として十分に機能しており、井伊直弼に辿り着けないもどかしさも巧みに表現している。俳優陣は概ね適役。中でも伊藤雄之助は冷酷非情なテロリストの首領を不気味に演じており、天本英世や中丸忠雄らの喜八組も健在。唯一ミスキャストかなと思わせるのが小林桂樹で、学者肌の思想家にしか見えないのが難点。もう少し野心を秘めた重みのある雰囲気を出して欲しかった。【雑感】総体的に観ると惜しくも傑作に成り得なかった意欲作といったところか。とはいえこれだけの俳優を使いこなし本格的時代劇を構築した手腕は見事なもので、気迫と意欲が画面から伝わり、随所に喜八監督特有のカット割りのリズムと編集の妙味が絶妙に配分されており嬉しくなってしまう。もし東宝に黒沢明が存在しなければ、もっと高く評価されてしかるべき職人監督である。 侍 [東宝DVDシネマファンクラブ] 関連情報

岡本昭彦 確率統計演習 (新版数学シリーズ)

 同じシリーズ(確率統計 岡本和夫)の演習版。解答に間違いがなくて、さすがに岡本和夫先生のお弟子さん達が執筆した本だと感心しました。本編を理解していると問題は平易なものばかりですが、全部解いてみたところ、ちょうど100頁ノートが埋まってそれなりに達成感が得られました。大学の入試問題も多数載っています。 確率統計演習 (新版数学シリーズ) 関連情報

岡本昭彦 独立愚連隊西へ 【東宝DVDシネマファンクラブ】

岡本喜八ワールド随一の痛快作。砲弾の連続的な炸裂、そして「独立愚連隊西へ」のタイトル。盛り上がる愚連隊マーチ。もうここから快調。多くの仕掛け、流れるようなリズムとカッティングの妙。何よりもヒューマンなメッセージ。「不真面目だ!」「戦争をゲームのように描くとは怪しからん!」などとのたまう「分かっていない」民青・日共シンパみたいな方々は見なくて宜しい。喜八監督がこの作品に込めたメッセージは意外と重いんですよ。それが分からん奴は見なくて宜しい。まあ、ついでに言えば、慰安所なるものの実態がこの映画が制作された時代に一般大衆に大人の常識としてどう理解されていたかも分かりますよ。「従軍慰安婦」などという言葉は、ひたすら日本の名誉を汚すことに狂奔している自虐派が発明した政治用語に過ぎないことが分かるでしょう。左翼、珍左翼、リベラル、フェミニスト、朝日読者の皆様。ご愁傷様。 独立愚連隊西へ 【東宝DVDシネマファンクラブ】 関連情報




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