死刑ドットネットシリーズを初めて見ましたが、ホラー作品としてはなんとも言いがたい...しかしコメディ?としては楽しく見れました?まぁ一言で言うと、ヒトコトでは表せない何かでしたね^^ 死刑ドットネット ターン・ゼロ [DVD] 関連情報
石川雅一氏の『平清盛の盟友西行の世界をたどる』を読んでのコメント西行と言えば、後の世の『問わず物語』の主人公二条や、松尾芭蕉が慕ってやまない歌人である。この本を読んで、今まで私が認識していた西行の歌のイメージとは異なって、本当はもっと生々しく切実な心の叫びを歌に込められていることが理解できて驚いている。それは、西行が生きた戦乱の時代背景や人間関係を丁寧に説明することにより、西行は、遁世のマイナーな歌人ではなく自分に忠実に、積極的に歌を携えて、この時代を生き抜いた人であることがその行動記録とともに解るような気がした。この世でかかわりあった人々との葛藤と愛着、政治的な行動、失った恋の悲しみ、桜花に対するあくなき思い、老年の仏心などその歌が詠まれた必然性や、心の機微が素直に読み取れるような親切な解説文である。現在の写真であっても、はるか古の平安世界を彷彿とさせる美しい写真集も力を添えている。詩心と動乱の世情を組み合わせる視点は、筆者石川氏がNHKの報道カメラマンとして、世界中の国々の興廃を自分の目で見てカメラに収め、しかもその中においても、大地を愛する詩人の心を持ち続けたという特異な体験から、西行とはある種の共通認識を持ち得て、他者の知らぬ方向からの西行の世界をたどっていった作品であると思う。この本を読むと、私も元気になって生きていこうと思えるのが不思議である。 平清盛の盟友 西行の世界をたどる 関連情報
意外にも、白河法皇を単独でとりあげた書籍はまだなかったから、好個の一冊であり、安田元久以来の、白河院が源義家を圧迫したという説への、元木泰雄による批判も取り上げられていて、白河院政期に関する好個の一般書である。願わくはあと一歩踏み込んだ注が欲しかったところである。 ただし一点だけ苦言がある。待賢門院について72pに「当時の性に関する意識からすれば、婚姻前の女が複数の男性と関係をもつことは、けっして非難されるべき問題ではない」とあるが、これは違うだろう。庶民の女や宮廷女房ならいざ知らず、法皇の養女において、そのようなことは考えられない。著者がなぜこのような誤りに捉えられたのか、興味深いところではあるが。 白河法皇 中世をひらいた帝王 (角川ソフィア文庫) 関連情報