宇宙エレベータ ランキング!

宇宙エレベータ 宇宙エレベーターの本: 実現したら未来はこうなる

... 宇宙エレベーター(軌道エレベーター)の大きなメリット。(1)誰でも手軽に宇宙に行ける。飛行機や自動車の発明に匹敵するほど重要なこと。(環境に絡めていえば、固体燃料ロケットが出す塩素ガスはオゾン層と化学反応を起こし、オゾン層を減少させる恐れが指摘されている。今のロケットは、お金や資源を無駄遣いして、宇宙空間に排気ガスを撒(ま)き散らすという欠点の指摘もある。)(2)我々の常識を根本的に変える可能性がある。宇宙から地球を鳥瞰(ちょうかん)的に眺めるということは、地に足がついた世界からの真のパラダイム的飛躍をもたらす。この新世代では、地上の地域的争いなどを凌駕する全人類の平和をもたらす。(3)地球の重力を振り切る燃料が不要で、より簡単に安全に宇宙に進出する宇宙輸送基地となる。つまり、宇宙エレベータの基地から宇宙船が飛び立つことが可能。(現在のロケットは費用対効果が低すぎるし、また打ち上げ時の爆発や飛行時の墜落といった危険を伴う。地上への帰還の大気圏突入は特に危険。)さらに月や火星にも軌道エレベーターを建設するアイデアも練られている。... 一方、宇宙エレベーターは人類にとって果たせぬ夢ではないかという人達もいる。人口増加もあり、これからさらに起こる食料や資源や水やエネルギーの不足。とても宇宙に進出するゆとりはないと言う。巨大科学技術というものはあらゆる資本を統合し、さらにマンパワーもみな統合しないと維持ができないという意味で、究極的には不幸なもの。月からの資源を持って帰ってくる、そんな有用性があればいいのかもしれないけれども、それほどの意味や価値が本当にあるのか、ということを問いたい。結局は、我々人類は地球に住むしかなくて、そのことを本気で考えないといけないっていう物語が大切。... 超えるべきハードルも高い。長沼毅氏の『ここが一番面白い!生命と宇宙の話』では、宇宙エレベーターの直面するやっかいな大きな問題として、まず宇宙ゴミと放射線を挙げています。これには技術革新も必要。(1)宇宙ゴミ(スペースデブリ)の問題。デブリ同士がぶつかって、ねずみ算式に増えるケスラー・シンドローム(症候群)。軌道上のカーボンナノチューブはもちろん、宇宙エレベーターの基地も、人工衛星やデブリに衝突する危険度は大きい。完成した宇宙エレベーターから飛び立つ周回衛星を使い、カーボンナノチューブ製の巨大なゴミ袋で宇宙ゴミを一掃する案もある。(2)放射線の問題。地上から2000〜2万キロの高さのところにはヴァン・アレン帯があり、地球の磁場にとらえられた宇宙由来の放射線が溜まっている。そのため、放射線濃度が高く、人体に強い影響があると考えられている。秒速10キロ以上のエレベーターを作るか、放射線を遮る分厚い壁を持った(重たい)エレベーターを作るか。水で覆ったり、また荷電粒子による放射線をブロックするためには、磁気バブルで覆う方法がある。太陽フレアによる大量の放射線からの避難場所として、鉛で囲ったセーフルームを設ける。(3)またケーブル自体の問題も大きい。炭素同士の結合だけで長さ10万kmのケーブルを作らなければならないが、短いカーボンナノチューブを炭素原子同士の強い結合だけでつなげるにしても簡単ではなく、今のところその技術はない。... さらに、『宇宙旅行はエレベーターで』には、宇宙エレベーター特有の未知の問題もいろいろ記されている。一覧すると、・宇宙放射線によるケーブルおよび電子機器の損傷・搭乗者の宇宙放射線被ばく・小天体との衝突によるケーブルの損傷・宇宙ゴミ(スペース・デブリ)によるケーブルの損傷・原子状酸素によるケーブルの劣化・雷、熱帯低気圧、ひょう、ジェット気流・誘起振動・誘導電流の発生・テロリストによる破壊工作・飛行機や船舶との衝突・熱によるケーブルの伸縮・ケーブルの摩耗や亀裂・ケーブルに蓄積するエネルギー... 宇宙からは「何らかの塊」を落下させるだけで、地球への攻撃ができる。一方、堀江貴文氏は、宇宙エレベーターの5万2000kmより高いところからから遠心力を付けて物を吹っ飛ばすと、地球の自転エネルギーが一部加わって火星まで燃料不要で行くともいう、スペースパチンコ(スペーススリングショット)を紹介している。功罪両面ある。この本の編者の宇宙エレベーター協会は、2015年1月5日の東京新聞で、「すべての国々が和解して平和になっていて、誰もが納得いく平等な配分の仕組みができあがっている。」これが宇宙エレベーターの建設条件だと言っている。歴史上、人類は富の奪い合いから戦争を繰り返してきた。限りない富を生み出す宇宙エレベーターを誰かの独占物にするのを許したら、紛争の火種となる。宇宙エレベーターの実現には、争いのない地球国家が前提となる。この本でも、ガンダムの富野由悠季監督は語っています。ロボットもロケットもただ好きなだけじゃダメ。それが社会とどのような接点を持てるのか、その意味合いはいったい何なのか、ということまで考えられるような大人になってほしい。そういったことまで考えた上での話なら、人類にとって宇宙エレベーターという解決方法だってあるのかもしれない、ということを信じてみてもいい。... さらに、レナト・リベラ・ルスカ氏も語る。土地や領土にとらわれることは、宇宙開発にとって最大の障害になる。宇宙エレベーターは文化的アイデンティティから人類を開放する。我々の常識を根本的に変える可能性がある。「領土」を意味するTerritoryという英単語は、ラテン語の「Terra」に由来する。つまり、「土地」である。したがって、宇宙開発では「土地」の概念を排除してこそ、本当の宇宙社会ができあがると思いたい。なぜなら、宇宙には「土地」はないからだ。... 宇宙エレベーターがあれば宇宙太陽光発電が作れる。宇宙太陽光発電が実現すれば、現実に、今までの化石燃料発電による排気ガスや、原子力による核廃棄物の環境への影響を軽減し、地上の再生資源よりもはるかに効率がよく発電できる。宇宙に発電機を置くことで、天候による不具合や夜間の無発電状態をなくすことも可能になる。しかし、そのプロバイダー(供給者)が裕福な国ということだとすれば、そこでも地球上の格差が再現されるわけだ。依然として土地や領土にとらわれているわけである。宇宙開発の際には、そのような思想は、進歩にとって最大の障害になると思う。... ネットやパソコンの普及がサイバースペースを切り開き、我々の交流手段を一変させたのと同じように、宇宙エレベーターを中心とした宇宙開発により、我々人類はこれまでの交流手段や内容を一変させるにちがいない。人類にとって地球レベルの視点をもたらす役割、「みんな同じ人間だ」と気づかせることこそ、きっと宇宙エレベーターがもたらす最大の社会的影響ではないかと推測する。地球上の価値観を保ったままの未来、つまり、宇宙に人類が拡大した後でも地球上の思想をもとにした開発をしているようでは、たかが知れていると思うのだ。 宇宙エレベーターの本: 実現したら未来はこうなる 関連情報

宇宙エレベータ 宇宙エレベーターの物理学

宇宙エレベーターって!?と思って、興味がありました。少し難しいなと思いましたが(主婦です)、執筆者からの「難しい式は飛ばしていいですよ」というコメントをいただき、1回目を読み終えました。私にとっては、宇宙エレベーターとはということより、物理的に考えるには、こういう風にするんだなと、とても参考になりました。途中、「運動量と運動エネルギー」などの解説も入り、もっと昔に、こういった本に出会えていたら、物理を捨てなくても済んだのではと思いました。2回目は、ちゃんと式も追いながら、じっくり、楽しんでみたいと思います。中学生・高校生に読んでもらいたいです。 宇宙エレベーターの物理学 関連情報

宇宙エレベータ ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110 (NEXT CREATOR)

上記、内容紹介で紹介されている項目が見開き2ページで紹介されています。小説やシナリオを作成するときのネタを見つけるのに大変役立ちます。紹介ページが2ページしかないので、詳しいことは書かれていませんので、小説などにそのまま使用することは難しいです。自分でその項目について、ネットや書籍で調べ直すことが必要になります。ですが、これだけの項目をわかりやすく紹介している書籍はあまりありません。SFの辞書として使う、SF小説を読むための知識を付ける小説やシナリオのネタを見つけるために読むのなら、十分使える本でしょう。買って損はないでしょう。 ゲームシナリオのためのSF事典 知っておきたい科学技術・宇宙・お約束110 (NEXT CREATOR) 関連情報




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