つじベスト

2枚組の1枚目は、シングル第1作〜第13作から、特別な作為はなく時系列順に収録したかたちで、詳しくないひと向けでもありますが、時系列的な変化を聴けます。
2枚目は、アルバム等から選んで収録していますが、カバー曲も4曲含んでいます。

全体の印象から言うと、
つじあやのさんの歌は男性視点の作品が多いのでしょうか、ウクレレを弾いていますが、フォーク系です。
表面的には、緩やかで力みのない歌い方をしていますが、
詞の内容的には、別れを肯定的に転換しようとするようなテーマのものも多く、聴いたサウンド的印象と裏腹に重い歌なのかもしれません。
アレンジは本人ではなくほかのプロが担当していることが多く、職人的にはとても良い出来ですし、生楽器の演奏を収録しているなど、サウンドの質は高いです。ここまで制作予算がかけられていると、聴き応えはあります。
ただもっとも、本人が書いた歌の意図を表現するのには、ちょっとブライトすぎるのではないかと思ってしまうような堅くて明るいサウンドが多いので、私個人の感覚としては違和感もあったり。

とはいえ、価格からすると盛りだくさんなので、このベスト盤はお買い得です。