


波止場 [Blu-ray]
主演M・ブランドは1951年“欲望という名の電車”から5本中なんと4本もアカデミー賞にノミネートされ、やっとのことでオスカーを手にした話題作。この作品もアカデミー賞12部門にノミネート、うち8部門受賞という快挙でした。
この時すでにブランドはハリウッドで最高の男優であったが、あまりにも暴力シーンが多く教育関係者からは批判も多かった。
冒頭からかなり暗い映像で、ギャング映画には間違いないが、名優たちの声のメリハリや演技だけで観ている私達を釘付けできる作品は他にありません。特に、タクシー内でのブランドとスタンガーのド迫力のやり取りは映画史の中でも有名なシーンです。ただ、ラスト・シーンは少し物足りなさもややあった気もするが、これ以上の暴力シーンは社会的にも難しかったのかもしれない。
“波止場”は“欲望という名の電車”よりはるかに男臭いストーリーで、紅一点で映画初デビューのエヴァ・マリー・セイントが港湾労働者たちを相手にかなり目立った演技のせいか、アカデミー助演女優を受賞している。一方で、ブランドとは名コンビであるカール・マルデンをはじめ、ロッド・スタンガー、リーJ.コッブら3人共アカデミー助演男優にノミネートさせる熱演でブランドを大いに盛り上げた。のちに1972年“ゴッド・ファーザー”でブランドが2度目のオスカーを受賞した時も、やはり3人の助演男優がノミネートされていることからも、いかに助演役者が大切であるかが理解できる。
この作品を観ないでブランドを語ることはできません。

波止場日記――労働と思索 (始まりの本)
著明な社会哲学者による日記です。哲学的な内容の文章もありますが、何分、日記という形式ゆえに前後の脈絡が掴みづらく、著者の考えが断片的にしか伝わってきません。しかし、日記なのでそれで良いんだと思います(きちんと思想を理解したいのであれば、他の著作に当たるのが妥当です)。ソフトカバーなので非常に持ち運びしやすいし読みやすい。少し時間が空いたときに少しずつ読み進めていくスタイルがぴったりの本です。表紙のデザインも秀逸で5点満点を付けたいと思います。

波止場 [DVD]
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