あたっくＮｏ．１ (幻冬舎文庫)

「あたっく」は思いがけないルートで
我が家にやってきました。

ある日、遅くに仕事から戻ってきましたら
高校二年生の娘が号泣しておりました。
驚きました。
手にもっているタオルがビショビショです。

「何があったの？」と聞きましたら、
彼女がそのタオルと一緒に抱きしめていたのが
「あたっくNo.1」だったのです。

「お母さん、この本、すごくいいよ。
　ねぇ、この劇も観たい！！」

・・・

元々、彼女はEXILEの大ファンで、ケンチが舞台に出ているから
読んでみよう、と、内容もあまり考えず買った本だったそうなのですが、
こういう展開になり、母はなんとも不思議で幸せです。
（母も一夜にして一気に読んでしまいました）

劇のチケットは、当然、正規で買えるわけもなく、
ヤフオクで競り落としました。
競り落としてあげるから、おかあちゃんと行け、との
条件で私もいそいそと参りました。

公演後、会場は涙と拍手の嵐。スタンディングオベーション。
震えるほどの感動、というのは久しぶりの体験でした。

若い子に「戦争とは」と歴史の固い切り口から語るより、
こんな風な流れで、気がつけば戦争について考えていた、
という形が最も理想的です。

この本は、まさにそんなきっかけを作ってくれた（る）
貴重な１冊です。