Romeo and Juliet

どなたもコメントされてませんが、このＣＤはサウンドラックではありません。
1968年映画の音楽を、2002年になってからプラハ交響楽団が新規にレコーディングしたものです。

解説書によりますと、ニーノ・ロータが書いたオリジナルの楽譜は現存しておらず、
本プロジェクトのために、ビデオやセリフ付サントラ盤からの耳コピで楽譜を復元したそうです。

ニーノ・ロータが演奏時に好んだ奔放なテンポ・ルバートを含め、
できるかぎり原曲を忠実に再現しようというコンセプトは見事に実を結んでいて、
たったひとつの残念な点を除けば、よほどのファンでも違和感はおぼえないかもしれません。

たったひとつの残念な点というのは――そう、せっかくの 雑音なしの " What Is a Youth？" ですが、
歌手が完全に別人なので、ここだけは聞いた瞬間に「あ、ちがう」と分かってしまいます。
他の讃美歌とかはうまく似せてありますが、この独唱はさすがに騙されない。

そこだけは残念ですが、新しい録音なので音質は素晴らしい。
セリフ付サントラ盤はだいぶ前に手放してしまいましたが、
このアルバムは、DVDとセットで長く愛蔵したいと思います。