THX 1138 [VHS] [Import]
出演者、老若男女全員スキンヘットなので、
いかにも未来的な雰囲気が漂う映画です。
そのため全然、古さを感じさせないところか、
ほんとうに未来の映画を観ていると錯覚します。
THX-1138 ディレクターズカット [DVD]
71年版をぜひDVDで出してほしい。どんなに荒削りでも、その時代の作品は原則その時代に完成しているのではないだろうか。ブレードランナーや未知との遭遇は時代があまり違わなかったこともあり、余計な場面を削ったり違和感ない映像追加で見せてくれた。しかし、この作品に今風のCGは不要だと思う(特にカーチェイスの場面は違和感が凄い)。本当のオリジナルをぜひ、鮮明な映像で見せてほしいと願う。
余談ながらラストシーン、昔TVで見たときにはてっきり朝日だと思い込んでいました。
物語的に朝日がふさわしいように思ったので。
TV放映版ではあそこで静止画像になって日本語クレジットが流れたのですが、あのあと太陽が沈んでいくのを見て30年前の記憶がひっくり返された思いでした。。
THX-1138(J.ルーカス [VHS]
寡黙にして実は多くのことを語り、さまざまな読み解きが可能。
画像と音の隙間を埋めることの喜びと、寒々とした映像に満ちた驚くべき作品でした。
個人は記号で呼ばれ、生活のすべてを管理・監視されている近未来。
一片の人間らしい感情に目覚めたTHX1138(ロバート・デュバル)の逃亡が、
ほとんど説明されることなしにたんたんと描かれていきます。
そこでは感情を鈍らせる薬の服用が義務付けられ、与えられた作業をこなし、消費することが至上のこととされています。
強制力がないのに。すなわち自身で考え、感じ、表現することが抑圧されているのです。
そしてそのことの意味さえわからない脊髄反射の人々の虚ろな顔。装飾がなく色彩がなく、匂いのない漂泊された空間。
自然懐胎が犯罪とされる去勢された社会。
ルーカスらは観客の感情に訴えかけることをせず、感覚に訴えます。
近未来を舞台にした多くのハリウッド映画にありがちな、主人公の怒り、疑問、反逆、自由への渇望、といった熱さは皆無です。
1138はそのような感情をもたないがあることをきっかけに逃げる。ただただ逃げる。
酸欠になった者が空気を求めるように。
いくつか気になったトピックを挙げておきます(内容に触れています)。
この社会には具体的な支配者が描かれてない。いないのかも。圧政や専制的な人物や物は登場しません。
「悪者の王様」はいないのです。そもそも政府や国家らしき存在や『1984』のような「ビッグ・ブラザー」も明示されません。
あるのはただ、「社会」。では管理社会を管理しているのは何か?システムの全容さえ最後まで見えませんし、隠された陰謀などありません。
本音を出せるのは、公衆告解BOX。そう、信仰は禁止されず利用されているのです。
ホログラム内から現実世界に飛び出してきた男。これが象徴するものは?
人は人工受精で「つくられ」、IDたる自身の記号すら使いまわされます。
そしてロボットポリスが口にする「お前のためだ」。コワイ言葉ですよね。行きすぎたパターナリズム。
「大丈夫だ。お前を助けにきた。お前のためだ」・・・
一緒に逃げるSEN5241(ドナルド・プレザンス。怪しい平常運転)が身勝手で矮小な(これが皮肉にも人間的なのですが)な役どころ。
このキャラの意味するところは? 突き抜ける者と最後に踏みとどまる者の対比でしょうか。
THXを目覚めさせる女性LUH3417の存在。唯一温かみを見せるメイク・ラブのシーン。
本編前のモノクロのヒーロードラマ「バック・ロジャース」の意味は?
そして面白いのが、冒頭のクレジット。上からか下へと流れていく。このパターンは初めて見ました。
そして数々の脳裏に焼き付くイメージ。電子機器の中をあるくトカゲ。無限に広がる真っ白な拘禁室。
白い壁、白い服。完全なる白は人の感覚を鈍らせる。リノリウム、コンクリートのひんやりとした感触。
数字を刻むカウンター。ブラウン管のちらつき。誰一人いないトンネル。蛍光灯のゆらめき。列をなして進む顔の見えない僧侶の群れ。
すべてを監視するレンズ、虚ろな瞳。ヘッドフォンからもれるノイズ。記号と化したセリフ。・・・
アナログ、かつマテリアル。ダークにしてクリーン。空の青やしたたる緑が恋しい。本作はオーウェルの小説『1984』、
ハクスレーの小説『素晴らしき新世界』などから影響を受けたのだろうか?またタッチは違うが『未来世紀ブラジル』
『ブレード・ランナー』『マトリックス』に影響を与えたのかな?
以下、★までラストに触れています。
底の見えないダクトをひたすら登り、地下社会から地上にたどり着いたTHX1138。溶けるかのような巨大な夕陽。
初めてあらわれた鮮烈な色。遠くを飛ぶ一羽の鳥。地平線以外何もない。これから夜が来るでしょう。荘厳なクワイア。
少しの希望と一抹の不安を残して映画は終わります。★
おおもとの作品は1960年代末に自主製作映画として作られ、後にコッポラの援助のもとルーカス初の劇場映画として71年に公開されました
(日本未公開・TV放映あり。VHS、LD化はされていたらしい)。今出廻っているDVDは2004年に自身により手を加えたバージョンです。
2枚組には最初の自主製作映画が収録されているようです。71年公開版はディスク化されていない模様。
本作はエンターテイメントではなくビッグ・バジェットでもなく「社会派映画」でもありません。
不安や混乱が取り除かれた未来を実験的に極めて静謐に収めた思索的なフィルムでありディストピア映像体験といっていいでしょう。
ルーカスはこんな映像も撮れるんですね(編集は彼自身)。後に『スター・ウォーズ』を撮るが、本作にこそ彼の原点があり、
やりたい作品づくりではなかったか。『スター・ウォーズ』の権利関係は売却してしまったがまだ老け込む年ではない。
本作のような映画的な映画を学生のような新鮮さでまた残してもらいたいものです。
『スター・ウォーズ』が彼の手から離れたことは残念ですが、これから本作のような映画づくりをするつもりであれば大歓迎。
本作の謎はまだ読み切れていません。また見ることになりそうです。当初、日本を舞台にしたかったそうですが、
ルーカスには未来が見えていたのでしょうか。Amazonを重宝している消費社会の一員の自身に自戒を込めて(笑)★5つとします。
THX1138 1971( director's Cut 2004 ) US. American Zoetrope WB
THX-1138 ディレクターズカット 特別版 〈2枚組〉 [DVD]
スター・ウォーズを手掛けた、SFの巨匠ジョージ・ルーカスの初めての監督作品
ルーカスが大学自体に構想した世界観を映画として再構築したものだそうです
宗教・政治・思想・労働はたまた、個人の性行為や服装髪型も国家に支配されている近未来の世界が舞台
主人公とその周囲の人物たちは徐々に「人間らしさ」を取戻し、この社会からの脱出を試みます
個人的には楽しめましたね
あの偉大なるキューブリックの「2001年 宇宙の旅」に通じる新鮮さ・無機質さを感じました(実際この映画、1970年に制作されているんですよ。その当時でこのクオリティは本当にすごいと思います)
コンピュータや他人に四六時中監視されている、という世界観は無機質すぎて、観ていて絶望感を感じます。その世界観を構想し、再現したルーカスはやっぱりすごいですね
それでもやはり、映像としては美しいし、引き込まれる映画でもあるなと思います。
SF好きの方、ルーカスファンには是非お勧めしたい映画ですね
豆知識ですが、この映画の予算は約80億円弱でした
対して興行収入は、たったの約2億円でした...(完全な大失敗ですw)
いくら天才といっても、苦労した時期があったんでしょうね
THX-1138 ディレクターズカット [Blu-ray]
ジョージ・ルーカス監督の商業映画のデビュー作で、製作総指揮にフランシス・フォード・コッポラの名前も連ねている。
人間の言動、行動、はたまた感情までもが薬によって管理され、地下都市で生きている25世紀、そこからの脱出を図る一人の男の物語。
SF映画というと、大半は時代が経つと古臭くなるもので、この映画も基本的にはそのレベルの作品に見受けられる。
しかしここでの近未来映像は美的感覚に優れ、若きジョージ・ルーカスの映画監督としての資質が突出していたことをまざまざと教えてくれる作品となっている。
また「アメリカン・グラフィティ」「スター・ウォーズ・シリーズ」など娯楽監督の彼のイメージからするとビックリするくらいシリアスで、この映画が公開当時不発で終わったのも納得できるし、何か今までにない新しい映画を作ろうとした意気込みは十分伝わってくる意欲作でもあったと感じた。
ジョージ・ルーカスのTHX-1138
25世紀-地下に広がるシェルターで、人類はコンピューターに支配されていた。そこでは、人々は名前すら持たずに番号で管理され
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