いますぐお兄ちゃんに妹だっていいたい! (通常版)

本作の最大の売りは万人受けしそうな可愛いらしいキャラ絵、そして豪華な声優陣でしょう。
この考えはプレイ中から終わった後まで変わることはなかったです。
見とれてしまうほどキャッチーなデザインの奉莉、それに希実花を演じる日笠陽子さんの流石の演技力…（詳しい内容は後述）。
現実はともかく、ゲームの中では何より見た目だぜ！という人は、買って後悔することはないと思います。

とはいえ、内容も悪いというわけではありません。
同系列（?）の「恋と選挙とチョコレート」に比べると、部の存続危機のような差し迫った問題というのはなく、どちらかというと落ち着いた雰囲気でお話が進行していきます。
ギャルゲをやり慣れた人には物足りないかもしれませんが、裏を返せば安心感があるということ。
深刻すぎたり、暗すぎるお話が苦手な人は多いです。
そういう方で、ぜひこれからギャルゲをやってみたいという人にはかなりおすすめのタイトルだと言えます。

システム面はとても優秀だと感じました。
特に、セーブをした後にプレイヤーがバック操作をせずともプレイ画面に復帰できるというのは、とても快適でした。
小さなことかもしれませんが、長時間プレイしているとこの差が大きいものなのです。
読み込み速度はさすがvitaというところでストレスは全くなく、skipなどの機能も特別便利というわけではありませんが不便にも感じませんでした。

さて、ここからは個人的なキャラ感想に移っていきます。
ネタバレが嫌だという人はここで読むのをやめて頂ければと思います。

（↓キャラ感想↓）

三谷歩夢（CV.茅原実里さん）
このキャラを一言で表すなら「とにかくかわいい」。
落ち着いた口調、優しい言葉遣い、健気で兄想いな姿。
それが終始ぶれることなく、プレイヤーとしては安心するキャラでした。
中盤から「何でも背負い込みすぎる」ところが問題として挙げられましたが、それをもうちょっと生かせなかったかなぁと思いました。
事故後に主人公が助けに行くシーンが（ずるいけど）感動的なだけに、ですね。
茅原さんの声はとても合っていて、人気声優だから選んだというだけではないのだなと思いました。

奈々瀬奉莉（CV.伊藤かな恵さん）
上の方でも書いた通り、とにかくキャッチーなルックスが目を引くキャラです。
加えて伊藤かな恵さんの声ですので、それだけでたまらないという人も多いと思います。
お話的には、４人の中で一番重たかったです。
まだ高校生なのにそこまで考えるのか？と自分も私も思ってしまいましたが、奉莉はそれだけ純情で、かつ主人公のことを想っているということなんですよね。
というわけで、一途さでは４人の中でトップかなと感じています。
個人的に、明るく元気なキャラが本気で照れる姿がとても好きなので（ギャップがあるからね）、そういうシーンを盛り込んで欲しかったかなぁと思いました。

茂森真央（CV.茅野愛衣さん）
私は「神のみぞ知るセカイ」という漫画のファンなのですが、その登場人物である春日楠というキャラととても似ているなと感じました。
男として剣術を極めようと日々頑張っている一方、可愛いものに目がないという。
後述の希実花同様、お話の中での変化を強く感じるキャラで、最終的には口調から態度までかなり変わります。
しかしそれに違和感はなく、主人公を思う気持ちがそうさせたのだなと自然に感じることができる流れになっています。
男として剣術を極めるという問題をどうするのか、そこを割とあっさり片づけてしまったのは少し残念でした。

拝田希実花（CV.日笠陽子さん）
希実花を支えているのは、間違いなく日笠陽子さんの演技力でしょう。
ぼそぼそと自信なさげな喋り方の中にも確かな可愛さがあり、これは素人にはまねできない技術だろうと思いました。
お話も個人的に一番好きで、希実花の成長する姿とお話の盛り上がり方が噛み合っていてしっかりとした「作品」になっていました。
それと、本作はキャラの衣装がとても可愛らしいのも特徴なんですが、希実花の私服はとてもイイです。好みです。
こんな子が現実で彼女だったら、一生より添って生きていきたいな…と思わせられる、そんなキャラでした。

長くなりましたが、以上で感想を終わります。
拙い文章を読んでいただきありがとうございました。